この度は、会社設立おめでとうございます。一抹の不安をかかえながらも、夢希望で一杯のことと思います。私自身が独立した頃を振り返りながら、今までの体験と経験を基に、新設法人の成功のエッセンスを、お話したいと思います。
経営は、大きく分けて3つの側面から捉えることができます。1つは経営者としての考え方です。2つ目は経営を客観的な面から捉えることです。最後に経営のバックアップという側面です。
税理士・中小企業診断士 豊島 維大
①信用をつける
会社を設立したばかりの頃は、会社にも、経営者にも信用がついていません。今まで会社に勤めていたとしても、それは本人の信用よりも、勤めていた会社の信用がほとんどです。
一から信用を作り上げるわけですから、先ずは誠実をモットーにこつこつと、誠意ある行動をとり続けることです。そうすれば必ずあなたのことを理解し、信用してくれる人が現れるはずです。
②すぐ利益を求めない
会社を設立しても、すぐ簡単に売上や利益を上げることは、難しいものです。そんな時、儲けが欲しいために、自分の利益のみ優先しがちになりがちです。しかし、そうすると、その時は利益が上がったとしても、次からは相手から敬遠されるようになってしまいます。
禅の用語で「自利とは利他をいう」という言葉があります。まず、相手の利益を考えてあげる、そうすると今度はそれが自分の利益になって跳ね返ってきてくれる、ということです。
③人脈を広げる
これから会社を経営するにつれ、人脈は目には見えないが大きな財産となります。独立した頃は、むしろ応援してくれる人も出てきます。そういう人を大切にしながら、いざというときに相談できる人や、お互いにギブアンドギブの関係を作れる人脈を広げていくことです。
①どんぶり経営をしない
会社を立上げ、無我夢中に営業活動に邁進していくと、売上を上げることのみに注意がいってしまい、往々にしてコストがかかったり、無駄な費用が発生したことに気づかないものです。売上と原価、販売にかかる経費、固定的にかかる経費を、きちんと毎月把握していくことです。
②キャッシュフロー経営に徹すること
どんなに売上が上がり利益が出ていたとしても、お金がないことは良くあることです。車や設備に投資していたり、商品の在庫に眠っていたりすると、当然資金が不足してきます。利益を上げることは、もちろん大事なことですが、資金が続かなければ黒字倒産もありえます。いずれ儲かるからといって、資金を寝かせることは、避けるべきです。
③経理は自分でやる
全ての経営活動は、結果として全て数字に表れます。この数字を理解しなければ経営者として正しい経営活動をすることが出来ません。そのためには、経理を自分で行うことです。かといって手間や時間がかかることは、避けなければなりません。そのためには、簡単に出来る経理ソフトを導入するべきです。わかならければ、しっかりと教えてもらい、決して経理を全て人任せにしないことです。
経営するということは、ヒト、モノ、カネの経営要素に関して、常に課題が発生します。創業期もしかり、成長期もしかりです。そういうときに自分の会社のことを、親身にかつ客観的に相談することが出来る人を持つことは、とても重要なことです。経営者は孤独と言われます。信頼できる税理士及び、会計事務所を選ぶことも、会社の発展のために必要な要素となります。